ホーム歌舞伎町大都会東京、不夜城ともいえる歌舞伎町 私にとってはまさに魅惑的な地区です

大都会東京、不夜城ともいえる歌舞伎町 私にとってはまさに魅惑的な地区です

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歌舞伎町には創作のネタがたくさん

 東京の中でも危険の街と知られ、またどこか下品で怪しげな印象をもたれている歌舞伎町という地区。長年においてアジア最大の歓楽街と目されたこの盛り場は、私にとってさまざまな仕事体験をもたらしてくれた街でもあり、また多種多様な人間模様を見せてくれた街でもあります。
歌舞伎町という街は、都内においても絶好の遊び場であることは間違いない。それと同時に令和の若者たちが悪事に手を染める場所になっているというのまた事実。実際、大久保病院の周辺には若い女性が買春客を相手に体を売っているようですし、新宿東宝ビルの脇にある広場では多くの夜遊び人がたむろし、そこでよからぬことを色々としでかしてもいるようです。
私自身もその昔は夜の歌舞伎町で散々遊んだものです。ヤクザにからまれたこともあるし、中年のおばさんにキスをしてくれ、とせがまれたこともあります。また夜のアルバイトに従事していたこともある。キャバクラ、セクシーパブ、バーテンなどなど。そのころは「お見合いパブ」「デート喫茶」などが流行っていた時期で私もそのような類いの店に遊びにいったことが何度かあります。

 まっとうな人間、それもふだん図書館で本を読んだり美術館巡りなどの趣味のお持ちの方。そのような方であれば、歌舞伎町という街はただ単に低俗な繁華街にすぎないのかもしれません。とはいっても、渋谷や六本木とはまた違った意味で、エキサイティングで刺激のある街といっても決して言い過ぎではない。そう、歌舞伎町、いうなれば不夜城ともいえるこの街は悪党どもが陰で蠢いていると同時に、それ以外にもさまざまな種類の人間が連夜交錯している不思議で奇妙な街でもあるのです。もちろん、それはいい意味でです。
私は個人的に歌舞伎町という街を『暗黒街』と読んでいます。

つまり、歌舞伎町というところは、とても魅力的な要素がふんだんにある。私はそう思っています。
なぜ、そのように思うのかと問われればかなり難しいですが、それはきっと私自身が歌舞伎町という街をとおして色々な体験をしてきたせいなのかもしれません。仕事、遊び、その両方で。

赤の他人が聞いたら、それほど珍しくもないのかもしれません。

ぼったくられた金を取り返す

でも、私個人にとっては貴重な体験をしたといえることがいくつかあったりもします。その中でも記憶に深く刻まれているのが「暴力バーで代金をぼったくられたあと、その約一時間後には代金の全額を取り返していたこと」と、同じく「ぼったくりの店で9万円もの高額な代金を支払わされた翌日に、その半分を取り返していたこと」などです。これには後日談があって、片方の暴力バーではのちに「殺人事件」が実際に起きています。被害者である男性は店員と料金の支払いをめぐって口論になったようですが、その後は殺害されています。
私はこのことを雑誌「フライデー」かあるいは「フラッシュ」のどちらかで眼にしました(あまりに昔のことなのでどっちの雑誌だったのかはよく憶えていません。
当時の記事に書かれていた内容を読む限りでは、犯人側である店員数人はその男性に対して殴る蹴るの暴行をくわえたようで、おそらくその行為は衝動的であったのではないかと私は思います。つまりは、殺す気などなく、あくまでも「かっとなって」そのような暴力に及んだのではないかと。殺されてしまった男性は気の毒ですし、逮捕されて収監された男性数人にしても、刑事施設の中で深く反省し後悔しながらも弔いの心を忘れずに日々過ごしていたのだと思います(いまはとっくに出所していると思いますが)

飲食ビル内にてヤクザに絡まれた一件

そんな暗いイメージがどこまでもつきまとう歌舞伎町というところですが、その一方ででは、明るく活気に満ちた夜の街としても知られいるはずだし、なにも悪いことだらけでもないはずです。とはいいながらも、少しばかり注意が必要であることも間違いない。
そこは歌舞伎町の中心部にほど近い飲食ビルで、たしか5階か6階のフロアだったと思います。ある「お見合いパブ」での出来事です。その日の夜、私は職場で仲のいい友人と二人して夜の歌舞伎町に繰り出しました。もちろん、それはもちろん酒を飲むためであるし、あわよくば可愛い女性との劇的ともいえる出会いを期待してのことでもありました。
店内に足を踏み入れたあと、私もその友人の彼も、ともに上機嫌で缶ビールをがんがんと呷り、多くの若者客が見守る中カラオケを歌いまくっていたものです。
その後一、二時間が経過したとき私と友人はそろそろと次に店へと・・・・・・ということになって私とその友人は店の入り口で会計をしはじめたのです。私が先に、そのあとは友人、といった順序で。
そそくさと先に会計を済ませた私は店のドアに近づいたのですが、そのとき、ちょっと柄の悪そうな二人の男と入れ違いなりました。その時点で私はとくに気にもしていませんでしたし、その後にあらぬ事態になろうとは夢にも思っていませんでした。
生きた心地がしない、そのときのことを一言で表すのなら、まさにそうとかいいようがありません。

とにかくにも、歌舞伎町という街で、私はそんな物騒な体験しかしていません。とはいえども、それらは結局のところ創作の肥やしになり、またある意味においてはネタになるのです。それは大いに。
小説とはいうものはストーリーのなかで突拍子もないことが起こるものであるし、それはまた奇想天外で摩訶不思議ななにかが突如して勃発する――例外なくそうではないでしょうか。
そう、つまりは私自身、自分の人生において過去に体験した出来事をさりげなく物語にもりこんでいるというわけです。

その多くは、歌舞伎町での体験であったりもするのです。